一瞬、かわいい娘（こ）・・と思った。

65才以上の人が、例えば事件が起き、新聞などに記事が載った時の登場人物として描かれる場合は「老人」になり、敬称が付いた場合は「ご老人」になります。そんな68才の老人の私は、ほとんど無表情（?）で世間を見ております。

スーパーですれ違う若い主婦の方々、40～50才くらいの男性には一瞥も投げかけない、小学校低学年くらいの小さな子供にはちょっと反応します。「あいつ（孫ね）元気かなぁ？」となり、60才以上の男性女性にはほとんど反応せずに、まぁ、「お互い気を付けて歩きましょう」と呟くくらいかな。

まっ、私の場合ですけどね。

数日前、少し変則な道を渡るため右を見て左を見て道路を渡ってスーパーの入り口に近づいたとき「＊＊さん」と女性の声で私の名前を呼ぶ方がいらっしゃいました。「はて？私ぁこの近所で女性なんて隣の奥さんくらいしか知らんぞぉ・・声が違うし・・」と思いながら振り返りました。

一瞬「俺、こんな可愛い娘（こ）ちゃん、知らな～い。誰やろぉ・・」と思い、頭の中では旧式のソラリー式のアドレス帳（すみません、要領を得ない表現で）みたいなものがパタパタと検索をしておりました。でも旧式ですから、なかなかヒットしませんでしたね。

「＊＊ですが」と名乗られたのはご近所のお屋敷の奥様でした。呼び止められた用件は広い敷地内の工事箇所が、たまたま小さな私の家の横に当たり、その騒音に対する詫びを言っていただきました。（私の応えは、当然、「とんでもございません。」でしたが。）

その奥様とたまたま道でお会いして挨拶をしたのは4～5年前です。普段は白い大きな車で外出されている姿を時々見ておりましたので、まさか、近所のスーパーに歩いていらしているなんて思いもしませんでしたからね。立ち話では、お年は私の1つ下で67才だとか。傍から見るとおじいさんとおばあさんが立ち話をしているように見えたのでしょうけどね。

Bee Geesの「Heartbreaker」なんて聴いていますとね、「I'm crying in the rain」なんて歌詞のところでは、恋で胸がときめくとか失恋で泣く、などは30数年前に置いてきておりますから、「雨の中で泣くかぁ・・風邪をひくなぁ」くらいしか思い浮かばない今です。

「俺、こんな可愛い娘ちゃん、知らな～い」と68才が67才の方を一瞬でもそう思えた自分もまだあったんだぁと、自分を少し褒めてあげたくなりました。

帰宅後、この出来事を（うちんちの）奥さんに話しますと、先日のラジオで、過疎の村に移住した若いリスナーの方が番組の中で語ったのは、その村では、おじいさん達、おばあさん達の恋愛問題はとてもホットな話題なのだそうです。適度な労働と美味しいものと自然があると、年を取っても恋愛感覚（＝異性に対する興味??）は残るのか?!

私のように妙に半分都会みたいな現在の居住環境で（訳もわからず）「したり顔」で引っ込んでいてはダメだねと思った次第です。

コメント 2

いいお話ですねぇ。
ホルモンの分泌刺激も健康長寿の秘訣かもしれませんね。
by kan (2018-10-31 11:09) 

とある会社の新入社員と役員との宴席で、孫娘くらいの年齢の女性社員を侍らせて何とも思わない役員連とセットした会社組織の異常さを万城目学さんのエッセーで読んだ直後の出来事でした。「あっ、俺正常なんだ」と思いましたよ。

by さーちゃん (2018-11-01 00:37)