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太平洋戦争・・まだまだ知らぬ事が多いです。 [雑記]

私は、父親が太平洋戦争に従軍させられた世代です。子の私の周辺でも戦争の跡はまだ残ってました。実際に見て覚えているのは、

幼稚園の頃(5才=1955年=敗戦後10年経った頃)のある日の集団散歩中に廃墟の工場跡に真っ黒に塗られた煙突があったので「先生、あれはどうして黒いの?」と女性教諭に訊くと「あれはね、グラマンからの鉄砲の弾を避けるために黒く塗ったの」と教えてくれました。(1955年頃の北九州門司区新町辺りの工場跡)

18才の頃(高校三年生=1968年=戦後23年経っていました)通っていた高校の建物の石壁には戦争中に塗られた迷彩のコールタールがまだ残ってました。(さすがに今は建て替えられたようですが。)




では兵士として従軍した父の身体はどうだったか?

戦後15年くらい経った私が小学校高学年の頃まで、父親はマラリアの後遺症で夜中に身体が震えていたのを覚えてます。母親に「どうしてお父さんは夜中に震えているのか?」と訊くと兵隊時代のビルマで罹ったマラリアの後遺症だと教えてくれました。


聞いた話では、私の母が戦争中に見合いをした相手の家族は、その後の長崎の原爆で一家全員が亡くなった。私の家内の父方の祖父母は広島で被爆し被爆者手帳を持っていた、など、私の身近なところでの話です。


今の若い方はかつて日本はアメリカと戦争をしたことを知らない方が多いようです。太平洋戦争の敗戦から73年経った今年2018年の夏にもいくつかの戦争関係のドキュメンタリー番組がありました。

「シュモーさんを探して」という番組でシュモーさんという米国人が戦後の広島や長崎で原爆で家を失った日本人の為に資金や材料の調達までして日本家屋を作ってくれた、という内容でした。

太平洋戦争当時、漁船を漁師共々、軍の管轄下に置き、三陸沖の太平洋上で(定点)観測させ、米国の艦船が現れた時に打電させていたとのことです。打電すると直ぐに米軍に場所を特定され船を沈められて、帰還出来なかった漁師も多かった、とありました。「くろしお部隊」と名付けられていたそうです。

「くろしお部隊」とは私は初めて知る存在とその名です。(このネーミング、(何故か)少し前の「ねんりんピック」のネーミングを思い出しました。国民の一人一人の人生を”年輪”になぞらえる神経がわからん、でしたなぁ。私のこれまでの人生は山は小さく谷は深い、そんな人生は年輪というには不揃い過ぎるものです。)

高知の沖にも同じように四国の漁船が同じ目的で配置されたとのことです。

別のドキュメンタリーでは「駅の子」でした。これまでは単純に空襲で身寄りをなくした子供達だと思ってました。東京は人口が多くて戦災孤児の数も多く上野駅構内の孤児が多かった、と思っていたのですけど、東北の市や町への空襲で親をなくし東京へ出た、など日本中で12万人の子供達が駅に寝泊まりしていたそうです。その多くは日本中の駅を回っていたとありました。今も存命で証言されたのは数名だったようです。父親は戦地で亡くなり、母親は空襲で亡くなって子供だけが残された方の証言もありました。

戦後の日本の公はその子供達にとても冷たい仕打ちをしたこともこの番組で初めて知りました。


特別高等警察(日本版秘密警察)も戦後2年も存続していたとありました。(朝ドラの「まっさん」でもまっさん宅に”特高”が張り付いていたシーンが多くありました。)敗戦時に組織は解体されたと思っていたのですけど、(占領軍の命令が出るまで)2年も存続していたとは初めて知りました。旧東ドイツの秘密警察シュタージはベルリンの壁が崩壊して2ヶ月で解散したとあります。市民が乗り込んで資料を暴いたことは知られた話ですが。日本ではそれがなかったということなのでしょうね。


(小林多喜二の特高警察による拷問死直後の写真も放映されました。私は今回初めて見ました。)


太平洋戦争関連の話はどうしても暗い話になります。でも、美化した話に置き換えている人達は戦争で苦しんだ一般庶民ではない人達の子弟のような気がします。庶民の苦しみを少しでも書き残すことが兵士だった父の息子の私の役目であろうと思っております。

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kan

大橋の九州〇〇工科大学ですが、開学当初は以前そこにあった福岡教育大学の建物を使っていました。
壁が黒く塗られており、空襲を避けるために塗られたと聞きました。
戦後、その黒い塗料も落とそうとしたようですが、結局昭和50年代まで残っていました。

by kan (2018-10-02 10:40) 

さーちゃん

その前は「学芸大学」だったと覚えてます。一時期、近くの団地に居ましたのでバス停の名前を覚えてます。そうですか、戦後30年以上もそのままだった訳ですね。
by さーちゃん (2018-10-09 22:12) 

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